不動産投資を始める時には融資は欠かせないことが多いです。中には現金で購入、相続などで不動産を取得することもあります。しかし自分で最初から購入物件を探して不動産投資をする場合、手持ちの現金が足りないということもあるでしょう。そんな時には融資を検討することになりますので、融資について知っておくことはとても大切です。融資の種類や借り入れの方法、メリットなどについてみていきましょう。

☆同じ融資でも不動産投資ローンと住宅ローンは何が違う?

不動産投資について調べていくうちに、この2つのローンについて聞いたことがあるという人も多いでしょう。ではこの2つのローンにどのような違いがあるのかをご存じでしょうか。まず、完済時の年齢です。住宅ローンはほとんどの銀行でローン完済時の年齢は80歳くらいまでを目安にしています。

一方不動産投資ローンは完済時の年齢の設定がない可能性が高いです。なぜでしょうか。

この完済年齢の違いが、2つのローンが異なる性質であることを現しています。住宅ローンはマイホームの購入を目的として審査されるものです。銀行など審査する金融機関はローンを申し込む人の給与収入を元に返済能力を審査し、物件自体の評価はそれほど重要視されない傾向にあります。

不動産投資ローンは申し込む人の給与収入も多少は影響しますが、投資対象物件がしっかり事業として安定的に運用できるかどうかを金融機関は重要視します。そのため、事業計画と対象物件の信頼性に基づいて融資します。

また、一般的に住宅ローンのほうが不動産投資ローンよりも低金利です。さらに住宅ローン控除などの優遇を受けることができます。

☆レバレッジって?不動産投資で融資を受けた方が良い理由とは

レバレッジとは、日本語に訳すと「てこの原理」です。レバレッジをかけるとリスクが増えます。しかし、融資の支払と経費、税金、修繕費などのコストよりも家賃収入が多ければ、毎月大きなキャッシュフローを少ない自己資金で得られることになります。レバレッジとはいかに少ない自己資金で大きな融資を受けられるか、そのバランスの比率をいいます。融資にかかる比率が大きければ大きいほどレバレッジがかかっているといえます。

しっかり管理できれば、利益は大きくなり、次の物件の購入にも取り組むことが可能になります。

融資を受けるメリットとしては、現時点で自己資金が少なく不動産投資を始めることができない人にチャンスを与えてくれることです。自己資金を貯めている間に物件を買う時間が思いのほかかかってしまった、という悩みを解決してくれます。ただし、将来の金利上昇、家賃下落、空室、修繕費の高騰などで予定通りに運営できないと、キャッシュフローがマイナスになりリスクとなり得ますので試算は事前にしっかり行っておきましょう。

☆融資はどこで受けられる?審査の流れは?

融資は都市銀行、地方銀行、信用金庫、日本政策金融公庫、ノンバンクといわれる金融機関等で申込が可能です。住宅ローンは物件の情報やサラリーマンであれば勤務先からの源泉徴収表を提出し、担当者と頭金などの相談をした上で審査されます。

不動産投資ローンは事業としての判断であるために、住宅ローン審査より厳しいでしょう。まず事業計画がしっかりしていること、対象物件も各金融機関の基準をクリアする必要があります。事業計画が合格すれば、次に借り入れ申込者が融資するにふさわしい人物であるかなどの審査があります。

☆審査に受かりやすいポイントは?

年収が1,000万を超えていたとしても、借り入れが他にあり、既に債務超過状態にあれば希望していた融資は叶わないこともあります。

一方、平均的な年収の人であっても、信用情報上信頼のおける人物であれば希望の融資金額を得ることも不可能ではありません。住宅ローン、不動産ローン共に金融機関の審査方法はさまざまで、融資を受ける時期や審査担当者などにより結果が変わることもあります。自分の財務状況が健全であるということが、まず審査に受かりやすいポイントといえるでしょう。