失敗しないようスムーズに不動産投資を始めるためにデメリットについてもできる限り把握しておくことは非常に大切です。いいことだけではなく、リスクや心構えとしてどんなものがあるのかをあらかじめ知っておくことで、どのようなトラブルが起こり得る可能性があるのか、問題があった際の対処としてはどうするのが的確なのかも見えてくるでしょう。今回は、不動産投資には具体的にどのようなデメリットがあるのかについてご紹介していきます。

☆不動産の維持と保守にお金がかかる

不動産投資において、利益を得るのに最もネックとなるといってもいいのが、空室の問題です。

所有しているアパートやマンションなどを賃貸物件として貸し出す場合、あるいはリートの銘柄を保有している場合、その利益は基本的に家賃から得ることができます。逆にいえば、そもそも住んでくれる人がいない、つまり、空室の状態となると利益は見込めないのです。

短期間であれば、他の部屋、あるいは他の物件から得られる利益でカバーが可能ですが、長期間の空室となると話は変わってきます。空室期間が長期化すれば、その穴を塞ぐためのフォローがそれだけ大変になってきますし、利益を得るどころかマイナスになってしまう可能性もあるでしょう。特に、所有の物件がマンションの1室しかないという場合では、空室だと収益が完全にゼロになってしまいますから、長期化は何としても防がなければなりません。

☆不動産の維持と保守にお金がかかる

不動産物件は、個人で所有しているのなら資産価値は非常に高いものです。しかし、その代償として、維持と保守をするのにさまざまな費用が必要となります。代表されるのは、まず固定資産税です。家賃による収入がいっさいないという場合でも、土地や不動産物件を所有しているというだけでかかる税金になります。税金以外にも、建物のメンテナンスや修繕をするための費用がかかるので注意しなければなりません。

金融機関への借り入れを行って運営している場合には、保守するために返済をしていく必要もあるでしょう。もちろん、きちんと家賃による収入を得られているのなら、これらの費用は十分にカバーできるうえに利益も見込めます。ただ維持や保守のためにはそれ相応のお金がかかるということは頭に入れておきましょう。

☆お金に困ってもすぐに現金化できない

不動産投資による運営で、経費を差し引いても毎月きちんと収益を得られているうちはいいですが、お金に困っている場合は問題になる可能性が生じてきます。特に、アパートやマンションの経営を辞め、売却して現金化したいというケースでは、実際にお金が手元にわたるまで、最低でも数カ月の期間がかかることを覚悟しなければなりません。

不動産物件を売って現金化したい場合、まずは売却先を見つける必要が出てきます。買い手を見つけたら契約手続きを進めなければならないため、手間も時間もかかるのです。不動産業者に売却を依頼することもできますが、その場合でもある程度の時間はかかってしまいます。立地条件が悪く、あまり魅力を感じられないような物件の場合は、買い手がつくまでの時間もよりかかる可能性は高いので注意です。

☆不動産の経年劣化などで家賃が下がる可能性がある

新築の不動産物件となれば、当然ながらそれ相応の利益は見込めますし、条件が悪くなければ、人気も得やすく、空室リスクは低いのが特徴です。しかし、経年劣化によって物件としての価値は年々下がっていくものですし、古くなってくれば人気も下がる、あるいは落ち着いてくるでしょう。年数が経てば、それだけ所有している不動産物件は古くなりますから、よほど条件がよくなければ、それにつれて家賃を下げる必要があります。

絶対に家賃を引き下げなければならないという決まりがあるわけではないですが、物件の現状に見合わないような高い価格設定にすると、住む側にとっては悪条件でしかありません。そうなれば、当然ながら住んでくれる人がなかなか見つからなくなってしまいます。そのため、経年劣化によって家賃が下がっていく可能性があるということは、前もって認識しておいたほうがいいでしょう。