不動産投資で主な利益として期待できるのは「賃料収入」と「不動産の売却益」です。しかし「どんなアパートやマンションなら安定した賃料収入が得られるのか」「どんな物件なら将来的に値上がりが見込めるのか」よくわからないという方もいるでしょう。ここでは不動産投資における物件選びのポイントをご紹介いたします。

☆エリアを絞り込もう!需要のある場所なら…

不動産投資で購入物件を選ぶ基準のひとつに「利回り」があります。

利回りとは簡単に説明するとその不動産が満室になった状態で得られる年間の賃料を不動産の価値で割った数字のことで、投資額に対してどれくらいの収益があるかを示す尺度を指します。

けれども想定利回りが大きいからといって、必ずしも想定どおりの収益が出るわけではありません。

利回りは価格の低い物件ほど高く算出されやすくなります。つまり価格の低い地方都市の物件ほど、利回りが高くなる傾向にあるのです。

ここで注意しなければならないのが「果たして地方都市の物件に満室になるほどの需要があるのか?」という点です。入居者がいなければそもそも賃料収入を得られないので、その物件が賃貸需要の高い地域に建っているかどうかが重要になってくるのです。

基本的に大都市のほうが賃貸需要は高いもののエリアごとに格差がありますし、経済状況によって推移します。そのため街の開発動向や将来的な発展予測について調査し、長期間にわたって安定した賃料収入が見込めるか判断する必要があるのです。不動産投資をおこなうなら利回りだけで判断せず、賃貸需要の高いエリアを絞り込み、街の開発動向などの情報を集めましょう。

☆立地条件に着目しよう!駅からの距離や近隣施設が重要!

賃貸需要を判断する基準となるのが物件の立地条件です。まず注目したいのが駅からの距離で、主要ターミナル駅から近い物件であれば将来的にも安定した賃貸需要を得られる可能性が高くなります。特急や急行電車が停車する駅のそばともなれば、常に賃貸需要が見込めるでしょう。

また近隣の施設によっても需要は大きく左右されます。近くに大学があれば必然的に大学生からの賃貸需要がありますし、若者をターゲットにしたビジネスの事務所や店舗としての需要も期待できます。コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどの商業施設から距離が近い場合も、賃貸需要が高まる傾向にあります。

☆設備の充実度を確かめる!セキュリティ面は欠かせない?

安定して入居者を得るためには物件の設備面や間取りも重要になってきます。賃貸物件の場合はセキュリティの問題が特に重要視されます。カメラ付きインターホンやオートロック機能が設備されているか、セキュリティ会社のシステムが24時間対応しているか、防犯鍵や防犯窓は備えつけられているか、管理人や大家が常駐しているか、などがポイントとなります。

さらに古い物件の場合は耐震性にも注意しなくてはいけません。また若者や女性からはバスとトイレが別のセパレートタイプの物件や、床がフローリングの物件が人気のようです。

☆マンションなら管理状況を見よう!メンテナンス状況もチェック!

マンションなら管理状況にも気を配りましょう。

・管理人が常駐しているのか。
・集合ポストや自転車置き場等の共有部分の掃除は行き届いているか。
・住民からの苦情や修繕依頼に迅速に対応できているか。
・定期的なメンテナンスは実施されているか。
・設備の故障や損壊に対して修繕計画がちゃんと立てられているか。

といったさまざまな視点から管理状況を把握して、物件の価値を見極めなければいけません。せっかく外観や立地条件がいいのに管理が雑というようなときは物件を購入後にオーナーが自ら管理してもいいでしょう。

しかし物件の管理やメンテナンスには専門知識が必要になるため、信頼できる管理会社に管理を委託するのが一般的です。物件の管理状況やエリアごとの賃貸需要、立地条件や設備面は不動産投資の利益に大きく関わってくるので、慎重に注意深くチェックしましょう。