インフレにも強く相続税対策としても有効な資産運用方法として不動産投資があります。最近は借入金利が一段と低下するなど賃貸経営の環境が良化していることもあり、不動産の賃貸経営の注目度は上がってきているといわれています。不動産の賃貸経営をするには、まずメリットとデメリットを正しく理解しておくことが大切です。
☆賃貸経営を始める前に知っておくべき基礎知識
アパートなどの賃貸経営をするにあたって知っておくべき基礎知識としては、物件の選択方法や賃貸経営の資金管理の特徴、そして税制への影響などが挙げられます。
それぞれについて基礎知識があれば、賃貸経営のメリットとデメリットをより深く理解できるようになるでしょう。
まず、物件の選択方法ですが、賃貸需要がある地域を選ぶのが重要です。いくら性能の高い建物であっても、賃貸需要がなければ空室ばかりになってしまい家賃が入ってこなくなります。賃貸経営をする場合の資金管理の基本は、家賃収入でランニングコストと物件取得時の借入金の返済をしていくことです。
さらに税制については所得税や相続税との関連を理解しておくことが重要でしょう。
不動産の賃貸から生じる利益は、所得税法上、不動産所得として課税されます。不動産所得は家賃収入から修繕費や固定資産税、建物の減価償却費などの必要経費を引いて求めます。
また、相続が発生した場合、建物は固定資産税評価額、土地は路線価をベースに評価することになっています。土地に関しては時価より安く評価できるのが一般的で、さらに評価を低くできる特例を使える場合があります。
☆節税にもなる!賃貸経営のメリットはこれだ!
では、賃貸経営のメリットを挙げてみます。不動産投資としての賃貸経営には多くのメリットがありますが、代表的なものとして3つ挙げられます。
1 継続的な現金収入が得られること
1つ目の継続的な現金収入が得られるメリットは、家賃収入が定期的に入ってくることによって実現されます。賃貸経営は会社員でもできますので、給料を補完する副業収入として、また老後であれば年金に上乗せする定期収入として期待できるメリットがあります。
2 インフレに強いこと
2つ目のインフレに強いという点は、さらに2つの切り口に分けられます。1つは、地価の上昇です。インフレになると現金資産は実質的に目減りすることになりますが、土地などの不動産は価格が上昇するのが一般的です。つまり不動産はインフレに負けない可能性が高いのです。
もう1つの切り口は、借入です。インフレになると、固定金利で借りている借金残高は額面が変わらなくても実質的に縮小することになるでしょう。
3 所得税、相続税の節税効果が期待できること
3つ目のメリットは節税です。賃貸経営が赤字になった場合、給与所得や他の事業所得などと損益通算できます。その結果、所得税の節税につながります。
また、現金や金融資産で保有しているよりも賃貸不動産で所有しておく方が相続税評価額を下げられますので、相続税の節税にも役に立つでしょう。
☆賃貸経営のデメリットを押さえよう!効率経営に向けて
不動産投資としての賃貸経営はメリットだけでなくデメリットもあります。
1 挙げられるのが空室リスク
空室リスクとは、部屋を借りる人がなかなか現れず長期間空室が続き家賃が入ってこない状態のことをいいます。
こうなると収入が減ってしまい、最悪の場合は経費や借入金返済支出を賄うことができず、財産が持ち出しになってしまいます。このデメリットを回避するためには、需要が旺盛な場所で賃貸経営ができるように物件選びをするとともに、信頼できる不動産仲介会社とのパイプを太くしておくことが有効でしょう。
2 賃貸経営を始めるにあたって多額の資金が必要になる
自己資金で賄えない場合は借入をすることになります。
万が一借金返済ができなくなれば、一般的に担保になる賃貸物件が人出に渡ってしまうでしょう。また、災害によって物件が損壊したり地価が下落したりしてしまえば、売却時に借金を返済できない可能性もあります。投資にあたっては多額の資金を動かしているリスクを常に意識しておくことが大切でしょう。
賃貸経営を効率良く行うには、デメリットに対する備えを万全にしておくことが大切です。その上で、確実にメリットを享受していけば賃貸経営は成功に近づくでしょう。
【記事筆者】
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