不動産投資をする場合、世界に目を向けてみるとアメリカの市場規模が圧倒的に大きいことに気付きます。アメリカの賃貸不動産に投資する方法としては、実物賃貸物件を購入する方法などもありますが、簡単なやり方としてusリートファンドに投資する方法があります。そこで、usリートファンドについてご紹介します。

☆USリートファンドとJリートの相違点

USリートファンドは、日本の上場不動産投資信託であるJリートとの違いを知ることによって理解できます。

Jリートは、日本の東京証券取引所に上場されている50銘柄程度の投資法人を指しますが、投資家から集めた資金で日本の賃貸不動産を購入し、そこから生まれる賃貸利益を決算期ごとに投資家に分配するものです。Jリートに投資をする場合は、どの投資法人が自分の投資目的に合っているかなどを考慮して銘柄選別をする必要があります。

一方、USリートファンドは、Jリートと比較した場合に3つ大きな違いがあります。

1つは、投資対象の不動産の所在地が原則としてアメリカであることです。

もう1つは、個々のリートの銘柄への投資ではなく、ファンド自体がアメリカのリート銘柄を選別して複数のリートを購入して運用していることです。1種のファンドオブファンズのような投資形態になります。

最後の1つは、Jリートは上場されていて、株式のように売買可能ですが、usリートファンドは上場されておらず一般的な証券投資信託と同じような取引形態になる点に違いがあります。

☆USリートファンドならではの魅力とは?

USリートファンドの代表的な魅力は3つあげられます。

1つ目が、世界最大の市場規模を誇る不動産市場に投資できることです。市場規模が大きいということは、取引も活発ですし、世界中の投資家が注目しています。その注目に耐える運用レベルを強いられるアメリカのリートは競争が激しく、運用成績の良いリートが育ちやすい環境にあります。そういったアメリカのリートに投資できる点がまず魅力です。

2つ目は、円安局面では、賃貸利益やリートの値上がり益だけでなく為替差益も得られることです。jリートの場合、為替差益はまったく関係ありませんが、usリートは円安局面で利益が狙えます。日本の金融緩和が続きアメリカの金融緩和が縮小されると円安に動く可能性がありますので為替差益を狙うチャンスはあるでしょう。

3つ目が、毎月定額の分配金が得られるタイプのUSリートファンドがあることです。毎月定額で分配金を受け取ることができると、公的年金の補完ができたり、貴重な副収入にできたりします。USリートには、Jリートにはない魅力があることを知っておくとよいでしょう。

☆USリートファンドの毎月分配型は儲かるの?

USリートファンドの魅力の3つ目でご紹介した毎月分配型のタイプですが、注意すべき点があります。

もらった分配基金を利益だと考えてしまうと、予想外の損失に驚いてしまう可能性があるのです。

USリートファンドの毎月の分配金は、一定の要件を満たすと利益を原資としなくても分配できる仕組みになっています。投資家から人気があるため、安定した分配金を出すケースも多くありますし、賃貸利益や値上がり益そして為替差益による利益が十分出ている間は問題ありません。

しかし、原資が確保できていない状態で毎月分配金を出し続けると、基準価額が下落し、評価損が発生する可能性があります。USリートファンドに投資する場合は、受け取った分配金だけでなく、投資した金額と基準価額を比較した評価損益も含めたトータルリターンで利回り評価を行う必要があるでしょう。運用が好調なUSリートファンドについては、トータルリターンでも高い成績を上げていますので、運用状況を詳しく調べてから投資することが大切です。