経済知識の活用や資産運用のために投資を行っている方なら、投資銘柄の将来性は興味を集めるポイントではないでしょうか。そこで今回のアンケートでは、J-REITの投資銘柄としての価値は10年後20年後どうなっているのか、その見通しについて調査を行いました。果たして今後のJ-REITは成長して勢いづくのか、または先細りとなるのか、みなさんはどう考えているのでしょう。

※一番多い回答「その他」を除く

長期的な安定が約束された投資銘柄なんて存在しない?

アンケートの結果、J-REITの見通しは暗いと考える意見が多く集まりました。

・日本の人口は今後、減少の一途を辿るので、都市部はまだ需要があるでしょうが、見通しは暗いと思います。(20代/男性/学生)

・今後、日本は人口が減少するし、オリンピックのような大きなイベントを繰り返さない限り、住宅バブルすら生み出せないでしょう。(40代/男性/会社員)

・私は、まずは2020年のオリンピックまでかなって思っています。(40代/女性/会社員)

・投資の世界は10年で新商品や新サービスがどんどん出てくるから10年後には無くなってると思う。(40代/男性/無職)

J-REITの投資銘柄としての価値は将来的に衰退していくと予測する論調が強いようですね。日本の人口が減少傾向にあることが要因の1つとして挙げられており、人口とともに不動産需要も減少していくと考えられているのでしょう。また2020年の東京オリンピックがターニングポイントだと指摘する意見もあるみたいです。

オリンピックのような大規模イベントが連続して開催されない限り、日本の不動産需要は支えられないということなのでしょうね。他にも、10年以上も価値が継続する投資銘柄は考えづらいというような意見も見られます。

J-REITに変わる新商品や、J-REITよりもさらにサービスの充実した上位商品などの登場を見越しているのかもしれませんね。

日本の不動産需要はまだ上がり続ける?

集まった意見の中には、J-REITは将来的にまだ成長するという主張も見られました。

・ヘルスケアリートのための環境作りを検討するための委員会などの設置もあり、老人ホームや病院などを対象とした投資も可能になるかもしれないため、今後の高齢化社会に伴い、そのような物件の需要も増えていくことが予想されるからです。(10代/男性/学生)

・この先、年配の方々を中心にマンションの需要は増えていくと思うからです。(30代/女性/専業主婦)

・東京オリンピックもあるので、今まで以上によくなると思います。(20代/女性/学生)

・海外からの観光客も多く、ホテル利用やショッピング利用が増えれば増えるほど、潤うと思うから(30代/女性/専業主婦)

高齢化社会に対応することで不動産需要が増加し、J-REITは成長できると考えられているようです。老人ホームやバリアフリーが徹底されたマンションが将来的に必要になるため、新たな不動産需要が生まれるという予測なのでしょう。さらに東京オリンピックをきっかけに観光ビジネスなどが潤って景気が伸び続けるだろうという指摘もありますが、オリンピックの観戦目的で訪れた外国人が日本の文化に触れることで各国で日本のよさが再確認され、旅行人気が高まるという見通しなのかもしれません。

予測は難しいが、リスクを考えると厳しい見通しに

J-REITの見通しについて、物事の捉え方によって意見は分かれるようですね。人口が減少するから不動産需要も下がっていくと指摘する意見がある一方で高齢化社会が新しい需要を生むと考える意見もあり、着目点次第で予測はまったく異なるということがうかがえます。さらにオリンピック後に不動産需要が下がると考える方もいれば、上がると思う方もいるみたいです。

日本の景気がオリンピックで一時的なピークを迎えるのか、それともさらなる発展を続けるのかは国家運営レベルの問題なので予想は困難なのでしょう。ただ10年先や20年先の将来の見通しとなると多くの方が慎重なリスク管理を優先し、厳しい意見になりやすいと言えるようです。

■調査地域:全国
■調査対象:年齢不問・男女
■調査期間:2016年09月14日~2016年09月28日
■有効回答数:100サンプル